鳥獣被害の現状

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深刻な影響を及ぼす獣害

深刻な影響を及ぼす鳥獣被害額

野生鳥獣による農作物の被害が、深刻な問題となっています。さまざまな獣害対策が講じられ2017年度は5年連続で減少しているものの、依然、被害は《約164億円》という金額にのぼっているのが現状です。

そのなかでも半分以上を占めているのが「シカ(約55億円)」そして「イノシシ(48億円)」による被害です。特にシカについては、ここ25年間で頭数が約10倍増加していることもあり、森林被害においては面積全体の約75%にあたる、およそ45キロ平方メートルが「シカによる被害」として報告されています。

また「鳥獣」の被害も、農林業を営む意欲を低下させる原因となっています。増え過ぎたシカがヒノキなどの皮を食べ森林木材の立ち枯れを招き、下草や低木を食する事で山腹崩壊や水資源にも影響しています。また、イノシシは電気牧柵をしても管理が悪い場合は水田に侵入し、一年間の稲作を一夜にしてダメにします。被害額以上に農家・林家の方は悩ましい有害鳥獣被害です。

環境省や農林水産省が策定した「根本的な捕獲強化対策」においても捕獲事業の強化が掲げられており、早急な対策が必要とされています。

捕獲した鳥獣の処分について

捕獲した鳥獣の処分について

捕獲したシカやイノシシなどをそのまま野へ放置することは、鳥獣保護管理法によって禁止されています。しかし、捕獲者が自分で利用するために持ち帰らない場合には、特別に埋設での処分が認められますが、埋設場所の確保・埋め戻しの深さの問題、その他公的焼却までの輸送コストなど、「狩猟した後」の手間や負担が課題となっています。さらに狩猟者の高齢化、また狩猟免許の所持人数も年々減少していることも問題視されており、各市町村また広域的に新たな鳥獣対策の環境整備が必須となっているのが現状です。

鳥獣被害の現状

鳥獣被害の現状

平成29年度における野生の鳥獣による農作物被害は、およそ164億円にものぼりました。その被害額の半数以上は、シカやイノシシによるものです。シカ・イノシシの捕獲数は毎年上昇。狩猟だけではなく、箱ワナなどでの有害鳥獣捕獲での捕獲数も増加していますが、それ以上に鳥獣が増えています。

原因として、里山の過疎化や高齢化によって耕作放棄地が増えたこと、また狩猟者の高齢化が進み、その人口が減ったことが挙げられます。こうしたことが起因して、野生鳥獣の生息環境が以前とは変化していることが、鳥獣被害の増加へと繋がっていると考えられています。

鳥獣による農作物の被害は農業を続ける意欲の低下を招き、その結果として耕作放棄地が増え、さらなる鳥獣被害を招く……という悪循環も懸念されています。総合的な鳥獣被害防止対策への取り組みの必要性が叫ばれています。

鳥獣被害への取り組み

鳥獣被害への取り組み

政府による鳥獣被害防止特別措置法の改正など、鳥獣による被害の防止対策が推進されています。農林水産省が主体となって特別な支援措置を実施し、各市町村が被害防止計画を作成するなど、地域ぐるみで取り組まれています。

また、GIS(地理情報システム)やGPS(衛星利用測位システム)など、最新技術を用いた鳥獣対策も検討されはじめ、システム開発のための若い人材の育成にも力が入れられています。

近年では、捕獲した鳥獣を地域資源として収益に転換するためのに、食材「ジビエ」への有効利用が注目を集めています。ただし、鳥獣を食肉として扱うためには、衛生管理や食肉加工など高い技術が必要とされる点が課題です。

ジビエに対するエー・ワンの考え方